「即席探訪」〜ぶっこみ飯〜

昨日朝食にカップ麺を食べた。

元奥さんは、朝からカップ麺を食べるなんて信じられないと言っていたが、休みの日の朝ならカップ麺はご馳走だった。

休みの日の朝ならば、だ。

通勤を控えた日常の朝はそうはいかない。眼は醒ましているのだが、胃はまだ熟睡していて夢の中で遊んでいる。

トースト一枚はおろか、ひとくち齧るのが精一杯である。

これは横浜の支店に勤めている時も、東京の本社に転勤になっても同じだった。

胃が目を醒ますのは、たいがい通勤途中の車両だ。

JR町田駅始発の東神奈川行は朝6時をほんの少し過ぎた頃に発車する。

ホームに入線してくるのは5時45分頃、その20分前にはホームに並ぶ。

これだけ時間に余裕をもてば、間違いなく着座して片道27分を眠って過ごせる。

通勤電車に座れるか、立ったまま満員電車に揺られて仕事に向かうかでは、エネルギーの消耗率が大きく異なる。

終点の東神奈川に着く頃には、もてあますほどハングリー。

会社の始業時間までには、まだ1時間以上ある。そこで駅近のミスタードーナツに寄って、軽いモーニングを食べてから10分ほど歩いて支店に向かったものだ。

昨日友人とランチをしていて、電車の中の奇妙な出来事が話題になった。

私用で町田から横浜線に乗った。

始発電車ではなかったが、空いている。やれやれ着座することが出来た。

すると、途中駅から70歳ぐらいのご婦人が、5歳ぐらいの男の子(おそらく孫だと推察される)の手を取って乗車してくると私の前に立った。

「ねえ、おばあちゃ〜〜ん座りたいよ〜〜!」

カッコは上品なのだが、あからさまにワガママな態度を示す孫。

おばあちゃんも大変だなぁ、子供に席を譲るか…

「もうすぐ座れますからね、次の駅で誰かきっと降りますよ」

と私の目線を微妙に捉える。

悪いけど、オレ終点まで行くから途中駅じゃあ降りないんだけど。

電車は各駅停車、たしかに座っていた乗客が下車するが、近くに立っていた客がすぐに座ってしまう。

「ねえ!おばあちゃ〜〜ん!座りたい!」

お前、その齢で腰痛でもあるのか!?

「今に誰かが譲ってくれるから、もうちょっと辛抱しなさいね」

「ヤダあ〜〜!」

誰かが譲ってという、その台詞の視線は明らかに私をロックオンしている。

こんなワガママ坊主、誰が席なんか譲ってやるもんか!

結局おばあちゃんとワガママ坊主は、私より先に電車を降りたんだが、こんな時席を譲ってやらない私がおかしいんだろうか?

帰宅する電車、コレも東神奈川始発折返しの電車を選ぶ。

素面の時はいいが、たいがい馴染みの居酒屋で一杯ひっかけたあとである。

何度目的駅を乗り過ごしたことか。

そこで居酒屋のおかあさんにホームから電話を入れる。

「11時15分発に乗るから、半になったら電話して」

コレで眠ってしまっても乗り越す心配はない…あ、電車が入って来たけど始発じゃないな。

乗車してみると席は…あ、みっけ!ひとつ空いてる!

やれやれ、寝ちゃおうかな…うぅん?隣の席も空いてるんだけど、そこには新聞紙が1枚置かれていて、コンモリ中央が盛り上がっている。

あぁぁ…コレってかなりの確率でオゲっとした未消化体なんじゃないか?

途中駅から乗車してくる客も座ろうとはしないんだけど、ちょっと酔っ払ったオイチャンが乗車してくると、バサ!と新聞紙を手につかみ払いのけた!

ギャア!!見たくなかったよう〜〜…あれ?

そこにはキレイなシートが顔を出しただけだった。

でも、この状態で新聞紙をつかみ取る勇気って、普通ないよね。

友人の話し。

混み合う電車で彼は連結部分近くに立っていた。

すると乗客を縫うように一人のご婦人が近付いてくると、連結部分のドアを開けた。

ご婦人は連結部分に入ると、ピシャリとドアを閉め姿が見えなくなった。

しばらくすろと、反対側のドアからご婦人は出て行ったのだが、いったい何をしてたんだ?

友人は気になってドアを開いてみた。

「よほどガマン出来なかったんだろうなあ〜」

元奥さんの話し。

夕刻帰宅のため横浜線に乗車していた。

途中駅で停まった電車はなかなか発車しない。

前の席に座っている男性は腕時計に目をおとし、明らかにイラついている。

車内アナウンスもない、男性客はカバンを座席に置きホームに出た。

「そうしたら、ドアが閉まって発車しちゃったの」

久々に食べたカップ麺、スタンダードのチキンラーメンなんだけど、商品名は「ぶっこみ飯」となっている。

なんだと思って熱湯を注いで5分。

出来上がったのは、米と麺の雑炊だった。

しかも麺が細かくなっていて…もう一度たべたい…とは思いませんでした^^: