フランダースの犬 5

 犬はようやく元気になって、はじめて、一声吠えてみると、それをうれしがって、おじいさんと子供とは、どっと笑うのでした。そして、元気になってよかったと、うれしなみだをこぼすのでした。殊にネルロは、夢中になってよろこんで、すぐかけ出して行って、野菊を摘みあつめて頸環をこしらえて来て、それを荒毛のパトラッシュの頸にかけてやり、子供らしい赤いやわらかい唇で、何度も何度も、接吻キスするのでした。こうしてパトラッシュは、すっかり元気をとりもどして、もと通りの大きな、がっしりと力が満ちた犬になりました。はじめ、パトラッシュは、以前と様子のちがっているのが、気がかりな風でしたが、間もなく、すべてのことが分って来たので、すっかり安心しました。こうしておじいさんと子供の親切な心が分ると共に、パトラッシュの心の内には、生れてはじめて愛というものが、非常な力で湧き上ったのでした。そしてその愛は、その後一生、パトラッシュが死ぬまで、一度も鈍ったことはありません[#「ありません」は底本では「ありありません」]でした。パトラッシュは、恵まれた、今度の新しい生活のすべてを知ろうとして、その澄んだ目で、じっと注意\xBF

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 さてこのジェハンじいさんの仕事と言うのは、毎朝、近所の、牧場主たちの牛乳を、小さな手車で、アントワープの町へ運ぶことでした。村の人達は、このおじいさんをあわれんでそうした仕事を与えていたのでした。何しろごくの正直者ですから、牛乳を運んでもらうばかりでなく、村にいて、仕事としては、畑の番、牛小舎、鶏小舎の番、小さな田の番、などいろいろたのまれるのでした。しかし、もうそろそろおじいさんには、仕事がむずかしくなって来ました。なにしろ八十三という年寄になったのですもの。アントワープへ行くにしても、三里からの道を歩かねばならないのでした。

 パトラッシュは、はじめて、しゃんと起き出た日、おじいさんが持って出たり持ってかえったりする牛乳缶を、じっと気をつけてながめていました。鳶いろの頸に野菊の花環を巻かれたままで、日向ぼっこをしながら。そして、そのあくる朝になると、パトラッシュは、おじいさんがまだ車に手をかけないさきに起きて行って、ぴったり、車の梶棒の間にからだをおきました。それは丁度、私は車をひくことを知っています。どうかせめてこんな仕事でなりと、御恩がえしをさせて下さい、と言うかのようでした。が、このおじいさんは、犬に車を曳かせるのは、神さまが犬をつくられた御心ではない、と信じている人でしたから、それを長いこと、許さずにいました。しかし、パトラッシュはどうしてもそれを止めません。おじいさんが、自分のからだを梶棒に結ゆわいつけてくれないと知って、今度は、歯でくわえて曳いて行こうとするのでした。これには、さすがのおじいさんも根まけがし、また、自分の助けた動物の、恩をかえそうとする心のけな気で熱心なのに打たれて、とうとうそれを承知してしまいました。そこで、犬が挽きよいように車をつくりなおし、おじいさんの命のあるかぎり、\xA4

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